Arithmetical Mean Deviation of the Assessed Profile (Ra)
算術平均粗さ Ra は「評価した断面曲線の算術平均偏差」と定義され、基準長さ lr の中の高さ座標 Z(x) の絶対値の算術平均として与えられる。式では Ra = (1/lr)∫|Z(x)|dx となる。単一の数値で表面の粗さ度合いを示せるため、図面指示や工程管理で広く使われる。
粗さ曲線は、断面曲線に対しカットオフ波長 λc の短波長側ガウシアンフィルタをかけて得る。このフィルタは伝達率50%のカットオフ波長で定義され、空間領域の重み付き畳み込みとして実装される。フィルタ処理により曲線の前後から基準長さ1つ分が失われ、残りを基準長さごとの区間に分割する。推奨されるカットオフ値は 0.25 mm、0.8 mm、2.5 mm で、カットオフ波長あたり50点以上のデータ点と、評価長さ内に3つ以上のカットオフが必要とされる。基準長さは数値としてカットオフ波長に等しく、Ra は既定で連続する5区間から求める。カットオフの選択が値を変えるため、Ra は測定条件とセットでなければ比較できない。
表面性状の規格は ISO 21920-2:2021 に統合され、従来の ISO 4287:1997 および ISO 13565-2、ISO 13565-3 を置き換えた。摺動面の摩擦、疲労強度、接合や成膜の品質に関わるため、精密加工や積層造形の後工程評価で基準となる指標である。