Automotive Radar
車載レーダは、車両に搭載して電波で周囲の物体を検出するレーダである。国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)の勧告M.2057-1は、電波標定業務のもとで76-81GHz帯において運用される車載レーダのシステム特性を規定しており、これらの技術的・運用的特性は、車載レーダと他業務のシステムとの両立性検討に用いるべきものとされる。勧告は2014年版(M.2057-0)を経て2018年1月にM.2057-1として改訂された。
同勧告の附属書1は、76-81GHz帯の車載レーダを機能と安全要求の観点から二つに分けている。第1のカテゴリはアダプティブクルーズコントロール(ACC)と衝突回避(CA)のレーダで、測定距離は250mまで、必要な最大連続帯域幅は1GHzとされる。第2のカテゴリは高分解能用途のセンサで、死角検知、車線変更支援、後退時の横断警報、車両近傍の歩行者や自転車の検知を対象とし、測定距離は100mまで、必要な帯域幅は4GHzとされる。より広い視野で動作し、歩行者検知、駐車支援、時速30km未満での緊急制動を担う構成も示されている。
交通事故と死者の削減という要求が距離分解能の向上を求め、それが最大4GHzという広い帯域幅の必要性につながると勧告は述べている。車載レーダは同一の周波数帯を多数の車両が共用する前提の装置であり、勧告が扱う他業務との共用検討に加え、レーダ同士の関係も設計上の論点となる。