Backside Power Delivery Network (BSPDN)
従来はトランジスタの上側(表面)の多層配線に信号線と同居していた電源供給網を、ウェハの裏面に移す構造。imecは、電源配線が複雑化したBEOLの配線網の中で場所を奪い合い、配線資源の少なくとも20%を占めていると指摘している。標準セル内でも電源レールが面積を消費し、IRドロップのマージン確保が難しくなっている。
imecが示す工程は次の順になる。まず表面側に埋め込み電源レール(buried power rail)を作り込んだうえでデバイスを形成し、キャリアウェハに貼り合わせて反転させる。次にシリコンを極端に薄化して接続点を露出させ、裏面からナノTSVを形成して埋め込み電源レールに着地させ、最後に裏面の配線層を作る。薄化の精度と裏面工程の重ね合わせがそのまま歩留まりに効く。
imecがArmと行った検討では、埋め込み電源レールと裏面給電の組み合わせによりIRドロップが7分の1に低減したと報告されている。電源と信号の経路を分離できるため、標準セル高のさらなる縮小やBEOLの配線混雑の緩和にもつながり、2D ICだけでなく3D SoCにも適用できるとされる。ウェハの薄化、貼り合わせ、裏面計測といった工程が新たに必須になるため、必要な装置構成が変わる。