Cellulose Nanofiber (CNF)
セルロースナノファイバーは、産総研の解説によれば「セルロースを主成分とする植物繊維を、ナノメートルサイズまでほぐして微細化した素材」である。1ナノメートルは10億分の1メートルにあたる。原料が植物由来である点が、石油由来の高分子材料と異なる。
製造は、繊維を大量の水に分散させたうえで、機械処理を繰り返してナノスケールまで解繊する工程が基本になる。得られる素材は、産総研の説明では鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度をもち、熱による膨張が小さい。水を抱え込む力が強く、粘度を保つ性質も併せもつ。水に分散した状態で扱うことが前提となるため、樹脂と複合化する用途では脱水と分散の工程が製品設計上の要素になる。
用途は自動車のタイヤ、衛生用品、食品添加物、化粧品、光学材料に及び、複合材料の補強材としても使われている。増粘剤としての利用のように、少量の添加で機能する用途が先に立ち上がっている。原料が植物であることから、化石資源由来材料の代替候補として位置づけられている。ただし用途ごとに求められる解繊の程度や分散状態は異なるため、素材そのものの性能だけでなく、使う側の加工技術と組み合わせて評価する必要がある。