カーボンナノチューブ導線

Carbon Nanotube Yarn Conductor

カーボンナノチューブを紡いで糸状にした電気導体である。NASAの技術報告は、銅導体の電気抵抗と質量がいずれも電力損失に結びつくため、高導電率で軽量な導体材料を設計することが望ましいと述べる。カーボンナノチューブは構造によって金属型と半導体型に分かれ、無作為な試料では33%が金属型で、その導電率は50.7MS/mと測定されているが、両者が混在する試料全体としての導電率は約1.3MS/mにとどまる。このため同報告では、銅とカーボンナノチューブ糸を組み合わせた複合導体が扱われている。

詳細

概要

カーボンナノチューブ導線は、カーボンナノチューブ(CNT)を紡いで糸状にした電気導体である。NASAの技術報告「Novel Processing, Testing and Characterization of Copper/Carbon Nanotube (Cu/CNT) Yarn Composite Conductor」は、銅導体の電気抵抗と質量がいずれも電力損失に結びつくため、高い導電率と軽さを併せ持つ導体材料を設計することが望ましいと述べている。

導電率の実測

同報告によれば、カーボンナノチューブは構造によって金属型と半導体型に分かれ、無作為な試料では33%が金属型で、金属型の導電率は50.7MS/mと測定されている。しかし金属型と半導体型が混在する試料全体としての導電率は約1.3MS/m程度にとどまる。単独のCNT糸では銅を置き換えるだけの導電率に届かないため、同報告は銅を組み合わせた銅/CNT複合導体の加工と評価を扱っている。CNT糸は市販の材料として調達されている。

位置づけ

航空機の電動化では配線の質量が機体側の制約となるため、単位質量当たりの導電性能を高める導体材料が求められる。カーボンナノチューブ糸は、この要求に対して銅の代替または銅との複合という形で検討されている材料である。