コヒーレント光伝送

Coherent Optical Transmission

光の振幅と位相の両方に情報を載せ、受信側のデジタル信号処理で伝送路の歪みを補償する方式。OIF は 400ZR と 800ZR の実装合意を策定し、80kmから120km のデータセンタ間接続を小型プラガブルモジュールで相互接続するための変調方式や FEC の条件を規定している。

詳細

概要

コヒーレント光伝送は、光の振幅と位相の両方に情報を載せ、受信側のデジタル信号処理によって伝送路で生じた歪みを補償する方式である。データセンタ間接続の分野では、業界団体 OIF が 400ZR および 800ZR という実装合意(Implementation Agreement)を策定し、異なるベンダのモジュール同士が接続できる条件を定めている。

技術的な要点

OIF は2024年10月30日に、800ZR IA の公開と 400ZR IA の更新を発表した。800ZR IA は、単一スパンの増幅ありの構成で80kmから120km の到達距離を対象とし、用途はデータセンタ間接続(DCI)である。イーサネットのクライアントインタフェースは最小100GE から対応し、1本のコヒーレント回線インタフェース上で合計800Gの帯域まで収容する。IA が規定するのは、相互運用可能な実装に必要な変調方式と光学的特性、および前方誤り訂正(FEC)である。実装形態としては、クライアント光と同等の高いポート密度が得られる低消費電力・低コストの小型プラガブルモジュールが想定されている。マルチベンダ相互接続は2024年にフランクフルトで開催された ECOC で初めて実演された。

産業での位置づけ

従来は長距離伝送装置に閉じていたコヒーレント技術がプラガブルモジュールとして実装できるようになったことで、ルータやスイッチのポートに直接挿す構成が成立する。価値の集中先はコヒーレント DSP と光集積デバイスの設計力であり、この領域の技術を持つ企業がデータセンタ需要を取り込む構造になっている。