数値標高モデル

Digital Elevation Model (DEM)

樹木や建物などの地表構造物を除いた裸地の地形面を数値データとして表現したモデルである。航空レーザ測量や干渉合成開口レーダから生成され、地形解析、水文解析、インフラ計画、電波伝搬計算、自律移動体の地図などの基盤データとして用いられる。

詳細

概要

米国地質調査所(USGS)は数値標高モデルを「樹木、建物その他の地表物を除いた裸地(bare earth)の地形面を表現したもの」と定義している。建物や植生を含んだまま三次元位置を表現するライダの点群データとは区別される。

技術的な要点

かつては地形図から作成されていたが、現在は高分解能の航空レーザ測量(ライダ)や干渉合成開口レーダ(IfSAR)に由来するモデルへの置き換えが体系的に進められている。ライダは地表の物体と地面の三次元位置を示す多数の点を取得するため、植生や建物からの反射を除去して地面点を抽出する処理を経て標高モデルを構成する。米国では 3D Elevation Program(3DEP)が全土と領域を対象に高品質の標高データを収集し、複数の解像度でシームレスなデータセットを整備している。衛星による干渉計測では、複数機による同時観測を用いると時間的な相関劣化を避けられる。

産業での位置づけ

洪水解析、インフラ計画、資源探査、通信の電波伝搬計算、自律移動体の地図など、標高を前提とする応用は広い。更新頻度と分解能が実務上の制約となるため、衛星コンステレーションによる高頻度更新が新たな需要として現れている。