Direct Lithium Extraction (DLE)
リチウム直接抽出(DLE)は、地下のかん水(ブライン)に含まれるリチウムを取り出す技術である。米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の解説では、リチウムを回収した後の残りのかん水は地下へ戻され、地熱貯留層の涵養に用いられるとされる。
DLEの方式は吸着、イオン交換、溶媒抽出の3つに大別され、いずれも規模拡大の段階で固有の課題を抱えるとされる。従来の蒸発池方式は広い面積を占有し水消費量も大きく、乾燥地域では特に問題になる。硬岩鉱床の採掘も土地の改変や汚染の懸念を伴う。これに対しDLEは発電所などの既存用地を利用でき、地熱由来のエネルギーを抽出工程の動力に充てられる点が利点として挙げられている。
NRELは、米カリフォルニア州ソルトン湖周辺の地熱かん水が米国の現在のリチウム需要の10倍相当を供給しうると指摘している。近年は地熱かん水に加え、石油・ガス生産に伴って産出する随伴水(produced water)を原料としてリチウムを回収する事業化の動きもある。
いずれの方式でも、目的とするリチウム以外の共存イオンからの分離性能と、吸着材や膜の耐久性、回収率が実用化の鍵となる。回収後のかん水の処理と圧入も設備設計上の要素である。