Edible insects
昆虫を食品および飼料の原料として利用する分野。EUでは2018年1月1日に施行された新規食品規則(Regulation (EU) 2015/2283)により、上市前に個別の安全性評価を受ける枠組みが整備された。EFSAが最初に安全性評価を完了した昆虫由来食品は乾燥させたイエローミールワーム(Tenebrio molitor幼虫)で、結果は2021年1月に公表された。
EFSAは評価上の難しさとして、昆虫が複雑な生物であり由来食品の組成把握が難しい点を挙げている。特に外骨格の主成分であるキチンは、窒素量からタンパク質量を換算する一般的な分析手法において、見かけのタンパク質量を押し上げる要因になる。アレルギーについては、昆虫タンパク質そのものへの感作、他のアレルゲンとの交差反応、飼料由来の残留アレルゲン(グルテンなど)という複数の経路が指摘されている。評価には栄養学、毒性学、化学、微生物学といった複数分野の専門知識が求められる。
EUでは種ごとに個別の申請と評価が必要であり、上市計画は対象種の単位で立てることになる。安全性以外に、消費者の受容といった文化的な要因と環境面の利点が普及の見通しに影響するとEFSAは整理している。飼料用途と食品用途では適用される制度が異なる点にも注意が要る。