イベントベースビジョンセンサ

event camera / dynamic vision sensor (DVS)

画素ごとに対数輝度の変化を独立に監視し、変化が閾値に達した画素だけが非同期にイベントを出力するイメージセンサ。イベントはマイクロ秒分解能で時刻付けされ、ダイナミックレンジは120 dBを超える。全画素を一定周期で読み出す従来型センサとは出力形式が根本的に異なる。

詳細

概要

イベントベースビジョンセンサ(イベントカメラ、DVS)は、画素ごとに対数輝度の変化を監視し、変化量が定められた閾値±Cに達した時点でイベントを出力する。各画素はイベントを送るたびにその時点の対数輝度を記憶し、次の変化をそこから測る。全画素を一定周期で読み出す従来型センサと異なり、輝度が変化した画素だけが非同期に出力する。

技術的な要点

イベントはマイクロ秒分解能でタイムスタンプされる。レイテンシは実験室環境で約10マイクロ秒、実環境でもミリ秒以下とされる。ダイナミックレンジは120 dBを超え、最大で140 dBに達する。一般的なフレームカメラの60 dBを大きく上回る。消費電力はダイレベルで約10 mW、システム全体でも100 mW以下に収まる例がある。代表的な素子として、DVS128は128×128画素で最小コントラスト17%、DAVIS346は346×260画素、Samsung Gen3は640×480画素で画素ピッチ9マイクロメートルである。画素ピッチはDVS128の40マイクロメートルから世代を追って縮小してきた。

産業での位置づけ

追跡、監視、物体認識、深度推定、オプティカルフロー推定、HDR画像再構成、SLAM、ブレ除去などに応用研究が広がっている。出力が画像フレームではなく事象の列であるため、既存のフレームベース画像処理をそのまま適用できず、専用のアルゴリズムを前提とする点が導入上の制約になる。