Five-axis Machining
同時5軸加工は、X・Y・Z の直進3軸に2つの回転軸を加えた計5軸を同時に制御し、工具と被削物の相対姿勢を連続的に変えながら切削する方式である。工作機械の試験規格 ISO 10791-7:2020「マシニングセンタの試験条件 — 第7部:仕上げ試験片の精度」は、水平主軸または垂直主軸を持ち、3軸から5軸までの同時加工軸を備える汎用および普通精度のマシニングセンタを対象に、仕上げ条件での切削試験と試験片の特性・寸法、および公差を規定している。
同規格の附属書Aは、5軸マシニングセンタ用の自由曲面試験片を導入している。この加工試験は、自由曲面のフランクミリング(工具の側面を用いた加工)を行う5軸マシニングセンタに適用される。回転軸が加わることで工具姿勢の自由度は増えるが、同時に回転軸の位置決め誤差や機械の幾何誤差が加工面に直接現れる。個々の軸の精度検査ではなく、実際に削った試験片の形状精度で機械全体を評価する点が、この規格の考え方である。
自由曲面を含む部品の仕上げ加工で用いられる方式であり、機械の精度に加えて、CAMによる工具経路生成、干渉回避、機上計測といった周辺技術が実際の加工精度と段取り時間を左右する。機械単体ではなく制御・ソフトウェアと組み合わせた競争になっている領域である。