Friction Stir Welding (FSW)
摩擦攪拌接合は、回転する非消耗ツールを接合部に押し当てて生じる摩擦熱で周囲の材料を軟化させ、加圧下でツールが材料を機械的に混ぜ合わせることで接合する方法である。融接とは根本的に異なり、溶融は起きない。このため、アーク溶接に固有の凝固に伴う欠陥を回避できる。
ツールは主に二つの部位からなる。ショルダは発熱の大部分を担い、表面下に押し込まれることで塑性流動した材料を閉じ込める。ピンは通常ねじが切られており、攪拌作用を生み、材料を継手のルート側へ送る。標準的な形状は凹面のショルダとねじ付きピンだが、荷重を下げて送り速度を上げるために、テーパ付きや溝付きのピン、スクロール付きショルダといった変種がある。融点より低い温度で進むため、熱影響部の損傷が融接より小さい。NASA の資料では、析出硬化型アルミニウム合金において融接に対し約20%の強度向上、動的再結晶による微細粒組織に由来する破壊特性の改善、変形の小ささ、単一パスでの完全溶け込み、消耗材が不要でアルミニウムではシールドガスも通常不要という点が利点として挙げられている。
アルミニウム、特に 2XXX 系合金への適用が中心で、ロケットの燃料タンク(スペースシャトル外部燃料タンク、SpaceX の Falcon、NASA の Space Launch System)に用いられてきた。航空機構造、自動車部品、船舶、コンピュータ製品にも展開している。自動化と再現性の高さが量産適用の条件となる。