Gallium-based liquid metal
ガリウム系液体金属は、ガリウムにインジウムやスズを加えて融点を下げ、室温付近で流動性を保つようにした合金である。出典によれば、共晶組成のEGaIn(Ga75.5In24.5)の融点は15.4℃、ガリンスタン(Ga68.5In21.5Sn10)は13.2℃であり、いずれも室温近傍で液体として振る舞う。水銀と異なり蒸気圧が極めて低い点が扱いやすさにつながる。
電気伝導率は出典の値でEGaInが3.4×10^6 S・m^-1、ガリンスタンが3.0×10^6 S・m^-1であり、導電性高分子より大幅に高く、配線用途に適する。特徴的なのは表面に自発的に形成される酸化被膜で、出典は室温で厚さ約3 nmに達する自己制限的な非晶質Ga2O3膜が生じると記す。この膜は形状の保持や基材への密着を助ける一方、電気的な障壁となるため、良好な導通を得るには除去が必要になる。液体であるがゆえに、マイクロ流路に充填して配線を形成し、流路の切替えによって回路構成を変える再構成可能な実装が可能になる。出典はマイクロ流体的手法で0.25 nLから1.6 nLの液滴を生成し、粒径を制御できるとしている。伸長しても導通を保つ印刷配線の例も挙げられている。
用途はフレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクス、熱界面材料、再構成可能な回路や可変アンテナなどに広がる。設計上は、酸化被膜の制御、アルミニウムなど一部金属への浸食性、封止構造が実装の可否を左右する。