幾何公差

Geometrical Tolerancing

部品の形状、姿勢、位置、振れに関する許容範囲を記号で指示する体系。ISO 1101:2017 は製品の幾何特性仕様(GPS)の中核規格として、工作物の幾何仕様のための記号言語とその解釈規則を定義し、幾何仕様の基礎を与える。図面のほか3D CADモデル上の指示にも対応する。

詳細

概要

幾何公差は、部品の形状偏差、姿勢偏差、位置偏差、振れを許容範囲として指示する仕組みである。寸法公差だけでは表せない「面がどれだけ平らでなければならないか」「穴の軸線がどれだけ傾いてよいか」といった要求を明示できる。ISO 1101:2017「製品の幾何特性仕様(GPS)— 幾何公差 — 形状、姿勢、位置および振れの公差」は、工作物の幾何仕様のための記号言語とその解釈規則を定義し、幾何仕様の基礎を与える規格である。

技術的な要点

規格は形状公差、姿勢公差、位置公差、振れ公差の4系統を扱う。指示方法は、図面上に可視の注記として直接示す明示的な方法が基本だが、ISO 16792 に基づき3D CADモデルの中に仕様を埋め込み、可視の記号として表示せずデジタルに問い合わせる間接的な方法も認められている。現行版は第4版で2017年2月に発行され、145ページ、2022年の見直しで現行維持が確認されている。

産業での位置づけ

設計意図を製造と検査に一意に伝えるための共通言語であり、座標測定機による検査手順や、モデルベース定義によるデジタル製造の前提になる。図面の解釈が国や企業で割れると、同じ部品でも合否判定が変わる。国際的な分業が前提の製造業では、この記号体系の統一が調達コストと歩留まりに直結する。