中空コアファイバ

Hollow-Core Fibre (HCF)

コアのガラスを気体または真空に置き換えた光ファイバである。英サウサンプトン大学光電子研究センター(ORC)は、微細構造ファイバの一種として、精密な微細構造クラッドに囲まれた中空のコアに光を導くものと説明し、導波機構によって反共振型とフォトニックバンドギャップ型に大別する。同センターは、中空コアでは光の速度が速く情報の遅延が小さいこと、また従来の全ガラス製ファイバより低損失かつ大容量となりうることを利点として挙げ、データセンター、5G移動通信、自動運転車にとって重要な特性だとしている。

詳細

定義

英サウサンプトン大学光電子研究センター(ORC)は、近年この分野を一変させた新しい光ファイバを微細構造ファイバと総称し、屈折率を調整するドーパントに頼らず、クラッド領域にファイバ全長にわたる多数の微小な空孔を設けることで導波を行うと説明している。このうち中空コア微細構造ファイバは、精密な微細構造のクラッドに囲まれた中空のコアに光を導く。

同センターのニュース(2018年9月26日)は、中空コアファイバを、コアの従来のガラスを気体または真空に置き換えた光ファイバと述べ、光速が速く情報の遅延が小さいという性質が1世紀にわたり研究者を引きつけてきたとしている。

導波機構による分類

ORCは中空コアファイバを導波機構によって二つに分ける。

  • 反共振型中空コアファイバ: 特定の厚さの膜からなるクラッドがコアを囲み、ある波長を反射する。クラッドの幾何形状には多くの種類があり、薄肉の管をコアのまわりに並べた構造が注目される
  • フォトニックバンドギャップ型中空コアファイバ(HCPBGF): 周期的なハニカム格子が中空コアを囲み、フォトニックバンドギャップ効果で光を閉じ込める

NANF

ORCが開発したNested Anti-Resonant Nodeless Fibre(NANF)は、壁厚が1000分の1ミリメートルのガラス細管12本をコアのまわりに配置し、中空の導光路を作る構造である。同センターは2018年のECOC2018において、データ伝送用中空コアファイバとして当時世界最低となる1.3dB/kmの損失を報告した。それ以前の記録は2004年に報告された1.7dB/kmであった。

応用

ORCは、低遅延・低損失・大容量という特性から、データセンター、5G移動通信網、自動運転車、さらにセンシングやレーザー電力伝送、データ通信への展開が期待されるとしている。