データセンタ内の電力を、ラック単位の54V直流ではなく800V級の直流で配る給電方式である。NVIDIAの技術文書は、54V方式では1MW規模で最大200kgの銅バスバーを要し、電源シェルフがラック空間を占め、AC/DC変換の繰り返しが効率と信頼性を損なうと説明する。800V直流では同じ導体断面で85%多く送電でき、銅の使用量を45%削減し、端から端までの電力効率が最大5%改善するとされる。
詳細
背景
NVIDIAの技術文書は、ラック内を54V直流で配る従来方式がAI向けの大電力ラックで限界に達していると説明し、3つの制約を挙げている。
- 設置空間: メガワット級では電源シェルフが最大64Uのラック空間を占め、計算機を置く余地がなくなる
- 銅の量: 54Vで1MWを送るには最大200kgの銅バスバーを要し、ギガワット級のデータセンタ全体では最大20万kgに達しうる
- 変換損失: 電力経路上でAC/DC変換を繰り返すため効率が落ち、故障点も増える
800V直流の効果
同文書は、800V直流化によって次の改善が得られるとしている。
- 同じ導体断面で85%多くの電力を送れ、銅の必要量を45%削減できる
- AC/DC変換の段数を減らし、端から端までの電力効率が最大5%改善する
- 100kWから1MWを超えるラックまで、同一の給電インフラで対応できる
構成
同文書によれば、系統からの13.8kV交流をデータセンタ境界で直接800V直流へ変換し、800Vのバスウェイでラックへ配る。ラック内ではDC/DC変換を行ってGPUへ給電する。