Hypersonic Flight
NASA は極超音速飛行を、マッハ5を超える速度での飛行、すなわちその場の音速の5倍を超える速度での飛行と定義している。超音速との違いは単なる速度の程度ではなく、この速度域で支配的になる物理現象が変わることにある。
NASA は、極超音速領域で複雑な衝撃波の干渉と増大した空力加熱が生じることを挙げており、X-15 に搭載した極超音速研究用エンジンの試験飛行では、これによって構造が損傷したと記している。機体の形状に起因して発生する衝撃波どうしが干渉すると、局所的に熱負荷が跳ね上がるという性質が、この速度域の設計を難しくしている。
もう一つの制約が試験である。NASA は、飛行時に想定される条件・規模・持続時間で極超音速の空気吸込み式エンジンを地上試験する能力が限られていると述べている。そのうえで、運用可能な極超音速機を実現するには、体系立てられたシステムレベルの不確かさの定量化が決定的に重要な要素になるとしている。地上で完全な再現ができない以上、不確かさをどこまで見積もれるかが開発の成否を左右するという位置づけである。