IMT-2030

IMT-2030

ITU-R が定める2030年以降の移動通信システムの枠組みで、いわゆる6Gの国際的な出発点となる上位文書。2023年11月に勧告 ITU-R M.2160 として承認され、没入型通信や通信とセンシングの統合を含む6つの利用シナリオと、遅延や信頼性などの能力目標を規定している。

詳細

概要

IMT-2030 は、ITU-R が定める2030年以降の移動通信システム、いわゆる6Gの枠組みである。2023年11月に勧告 ITU-R M.2160「Framework and overall objectives of the future development of IMT for 2030 and beyond」として承認された。個別の無線方式を定めるものではなく、利用シナリオと目標とする能力を示す上位文書にあたる。各国の研究開発と標準化提案は、この文書を参照して方向づけられる。

技術的な要点

利用シナリオは6つ。没入型通信(IC)、超高信頼低遅延通信(HRLLC)、大規模通信(MC)、ユビキタス接続(UC)、AIと通信(AIAC)、通信とセンシングの統合(ISAC)である。前の3つは IMT-2020 の eMBB、URLLC、mMTC を拡張したものにあたる。能力面では、シナリオに応じてピークデータレート50から200Gbps、IMT-2020 の1.5倍から3倍のスペクトル効率、0.1から1ミリ秒の遅延、1-10⁻⁵から1-10⁻⁷の信頼性が示されている。新規の能力としては、1から10センチメートル精度の高精度測位、物体検知・位置推定・イメージング・マッピングを含むセンシング、分散学習やデータ処理、AI モデル推論といった AI 関連機能が挙げられている。

産業での位置づけ

ITU-R が示す日程では、技術性能要件の文書が2026年2月、候補技術の評価ガイドラインが2026年6月に完了し、候補無線インタフェース技術の提案受付は2027年2月から2029年2月とされる。この日程が、半導体、無線装置、測定機器の各分野における開発投資の時間軸を規定する。ISAC と AIAC が新設されたことで、通信専業以外の領域からの参入余地が広がっている。