Iron Fuel
鉄燃料は、微細な鉄粉を空気中で燃焼させて熱を取り出し、燃焼後に生じる酸化鉄を回収して還元し、再び金属鉄に戻して使う循環型のエネルギー利用方式である。
Nature Reviews Materials に掲載された論説「Iron as a sustainable energy carrier」(2026年、11巻261–263頁、DOI: 10.1038/s41578-025-00876-1)は、鉄粉について「大量のエネルギーを蓄えることができ、長距離を効率よく輸送できる、きわめて有望なゼロカーボンのエネルギーキャリアである」と述べている。
燃焼時に排出されるのは酸化鉄の固体粒子であり、二酸化炭素は生じない。取り出した酸化鉄を再生可能エネルギー由来の水素などで還元すれば、鉄は繰り返し使える。固体であるため常温常圧で貯蔵・輸送でき、水素のような高圧容器や極低温を必要としない点が、季節をまたぐ貯蔵や海上輸送で利点になると論じられている。
産業用ボイラーなど高温の熱需要への適用が検討されており、商業規模の実証が進んでいる。