液体クロマトグラフィー質量分析

Liquid Chromatography–Mass Spectrometry (LC-MS)

液体クロマトグラフィーによる分離と質量分析による検出・定量を連結した分析法である。エレクトロスプレーイオン化で試料をイオン化し、前駆イオンと生成イオンの組を監視する多重反応モニタリングにより、夾雑物の多い生体試料でも特異性と感度を両立できる。薬物動態評価や臨床検査で広く用いられる。

詳細

概要

液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)は、液体クロマトグラフィーによる成分の分離と、質量分析による検出・定量を連結した分析法である。質量分析部を二段構成にしたものはLC-MS/MS(タンデム質量分析)と呼ばれる。出典のNature Reviews Methods Primersは、臨床検査領域におけるLC-MS/MSの原理と実装を体系的に解説している。

技術的な要点

測定は前処理、分離、イオン化、検出の順に進む。前処理としてタンパク質除去、固相抽出、支持液体抽出などが用いられる。分離後の成分はエレクトロスプレーイオン化によってイオン化され、前駆イオンを選択して開裂させ、生じた生成イオンを監視する。この前駆イオンと生成イオンの組み合わせを追う多重反応モニタリングにより、夾雑物の多い生体試料でも特異性と感度を両立できる。定量の信頼性は、内部標準の選択、検量線の設定、精度管理の運用に依存する。出典は、標準化や規制対応、運用に必要な技術者の確保が導入上の課題であると指摘している。

産業での位置づけ

医薬品の薬物動態評価、代謝物の同定、内分泌検査、先天代謝異常のスクリーニングなどで用いられる。前処理と分注を自動化し、検証済みの手順に固定して多検体を処理する運用は、受託分析ラボの生産性を左右する。抗体医薬などの高分子では、酵素消化を経てペプチドを測る手法が併用される。