液体有機水素キャリア

Liquid Organic Hydrogen Carrier (LOHC)

水素を有機化合物に化学的に結合させて貯蔵し、必要なときに取り出す方式で用いる一対の有機化合物である。学術誌 Rendiconti Lincei. Scienze Fisiche e Naturali に2025年に掲載された総説は、不飽和の芳香族化合物と、それに水素が付加した飽和化合物の対が、可逆的な水素の貯蔵と放出を担うと説明する。触媒の下で進む水素化は発熱反応で不飽和結合を飽和結合に変え、脱水素は吸熱反応でこれを戻して水素を取り出す。代表的な対として、トルエンとメチルシクロヘキサン、ナフタレンとデカリン、N-エチルカルバゾールとその水素化体、ジベンジルトルエンとその水素化体が挙げられている。常温常圧で貯蔵・輸送でき既存の液体燃料インフラと親和性が高いことから、圧縮水素や液化水素に比べて設備費と安全上の負担を抑えられるとされる。