Lithium isotope separation
リチウムには質量数6と7の安定同位体が存在する。出典によれば天然存在比は6Liが約7.5%、7Liが約92.5%であり、6Liは希少な同位体と位置づけられる。リチウム同位体分離は、この存在比を人為的に変えて片方の同位体を濃縮する操作を指す。出典の研究では、天然の7.6%から59%超へ6Liを濃縮することが目標として掲げられている。
同位体どうしは化学的性質がほぼ同じで質量差も小さいため、1段あたりの分離係数αは1に極めて近い値にとどまる。出典では、15-クラウン-5エーテル系と自作膜を組み合わせた電気移動(electromigration)により、48時間後の最大同位体分離係数として1.0317が報告されている。クラウンエーテルが6Liイオンの移動特性を改善するとされる。単段の分離能が小さいため、実用的な濃縮度に到達するには多段化と循環が前提となる。手法としては錯形成剤を用いる溶媒抽出や電気移動のほか、イオン交換クロマトグラフィー、リチウムイオン伝導体を隔膜に用いる電気透析などが検討されている。
6Liは中性子を吸収してトリチウムを生成する核反応を起こすため、核融合の燃料増殖材に関わる材料として扱われる。一方で7Liは重水炉の水質調整などの用途が挙げられている。濃縮リチウムは供給源が限られており、分離プロセスの確立と国産化は各国で技術的な課題として認識されている。