MEMS mirror
MEMSミラーは、半導体微細加工で作製した可動の微小鏡である。ねじりばねで支持した鏡面を傾けることで光線の向きを変え、光学系に機械的な回転部品を持ち込まずに走査を実現する。LiDARの走査素子としての利用が進んでいる。
駆動方式は静電、電磁、圧電、電熱の4種類に大別される。静電駆動と電磁駆動、圧電駆動はいずれも高い性能指数(FoM)の設計例があり、電熱駆動は大きな走査角を得やすく、非共振で180度の光学走査角、10×10 mm角の鏡面といった例がある。動作方式は、機械共振を利用して高速に振らせる共振駆動と、任意の角度に静止できる非共振(準静的)駆動に分かれる。共振駆動は共振周波数の変動に敏感で、環境の実時間監視や位置検出とフィードバック制御を要する場合がある。Q値の低い共振ミラーは共振点での帯域が広いため、この問題は相対的に小さい。設計上は、開口径、視野角(FoV)、共振周波数の3者がトレードオフの関係にあり、共振周波数を上げると外乱に強くなる一方で走査角は取りにくくなる。
モータ駆動の回転走査機構と比べ、寸法、速度、コストの面で優位に立つ。走査部の重量が約45 gに収まる例があり、キログラム級の機械式装置とは対照的である。