Mobile Mapping System (MMS)
モバイルマッピングシステムは、レーザスキャナ、慣性計測装置、カメラなどを組み合わせ、移動しながら三次元点群を取得する計測システムである。手持ち型や背負い型の装置では、作業者が対象空間を歩くだけで、点群と装置の軌跡が同時に得られる。台車や車両に搭載する構成もある。
装置の位置と姿勢はSLAMによって推定され、その軌跡に沿って毎秒数十万点規模の点群が生成される。ISPRSの評価研究は、屋内測量においてこの方式が高速で機動的である一方、これらのセンサで保証される三次元点群の幾何精度は、静止型の地上型レーザスキャナ(TLS)で到達しうる精度より低いと述べ、ターゲットを用いて座標付けしたTLSの計測結果を基準として複数のモバイル装置を比較している。衛星測位が届かない屋内では、軌跡推定の誤差が距離とともに蓄積するドリフトが精度の主因となるため、既知点や制御点による補正が併用される。
工場、建設現場、既存建築物のデジタル化では、取得速度と精度の折り合いが導入判断を左右する。取得した点群とパノラマ画像は、設備管理、施工進捗の確認、改修設計の基礎データとして使われ、デジタルツインの入力にもなる。