ネットワークスライシング

Network Slicing

1つの物理的な移動通信網の上に、用途ごとに独立した論理ネットワークを構成する技術。3GPP はネットワークスライスを、特定のネットワーク能力と特性を提供し、スライス顧客の多様なサービス要件を支える論理ネットワークと定義する。無線アクセス・コア・トランスポートの各サブネットから構成され、S-NSSAI で識別される。

詳細

概要

ネットワークスライシングは、1つの物理的な移動通信網の上に、用途ごとに独立した論理ネットワークを構成する技術である。3GPP TS 28.530 はネットワークスライスを「特定のネットワーク能力と特性を提供し、ネットワークスライス顧客の多様なサービス要件を支える論理ネットワーク」と定義している。

技術的な要点

スライスは階層構造をとる。ネットワークスライスは無線アクセス、コアネットワーク、トランスポートの各ネットワークスライスサブネットから構成され、サブネットはネットワーク機能(NF)の集合である。NF は仮想化された VNF と物理装置である PNF が混在しうる。個々のスライスは S-NSSAI で識別され、QoS フロー単位の性能測定にも同じ識別子が用いられる。ネットワークスライスインスタンス(NSI)は、準備、コミッショニング、運用、廃止というライフサイクルで管理される。管理仕様は TS 28.530(概念・ユースケース・要件)、TS 28.541(ネットワークリソースモデルと SLA 属性)、TS 28.552 / 28.554(性能測定と KPI)、TS 28.535 / 28.536(クローズドループ保証)に分かれている。

産業での位置づけ

Release 15 で基本的なライフサイクル管理、プロビジョニング、監視が規定され、Release 16 で SLA 属性とクローズドループ自動化、Release 17 で非公衆網の管理と保証機能の拡張、Release 18 でプロビジョニング効率化とインテント駆動管理の検討が加わった。用途ごとに品質を切り出して提供できるため、産業向け通信サービスの品質保証と課金の設計基盤になる。