不整地自律走行

Off-Road Autonomy

道路や事前に用意した地図に依らず、整備されていない地形を車両が自律して走行する能力である。米陸軍DEVCOM陸軍研究所のAIMM計画は、戦闘車両が作戦上の速度で不整地を自律的に機動できる、頑健な航法の確立を課題として掲げる。事前の地図やGPSのデータに頼らない走行、複雑な地形を速く確実に進むための機械学習、文脈を踏まえた知覚処理、通信が妨げられた環境での協調が研究の柱となる。

詳細

概要

米陸軍DEVCOM陸軍研究所のAIMM(Artificial Intelligence for Maneuver and Mobility)計画は、兵士が訓練した自律車両が、あらかじめ用意された地図やGPSのデータに頼らずに多様な地形を自律走行できるようにすることを目指している。同計画は、戦闘車両が作戦上の速度で不整地を自律航法し、優位な位置へ自ら機動できる頑健な技術を確立できるかを問いとして掲げている。

技術的な要点

同計画は三つの柱を示している。第一に機動のための学習で、自律システムが複雑な地形を速く確実に進む能力を高めるための基礎的な機械学習の研究である。第二に文脈を踏まえた意思決定で、場面の理解に基づく知覚処理により偵察における自律性を高め、複数の情報源を取り込みながら不確実性を定量化する。第三に戦術的挙動で、通信が妨げられた状況でも複数の機体が緩やかに結合して任務を続けられるようにする。

産業での位置づけ

道路や車線標示、事前地図を前提にできない点が、市街地の自動運転と技術的に分かれるところである。地形そのものの通行可能性を判断し、通信や測位が保証されない前提で動く必要があるため、知覚と判断の設計が根本から異なる。防衛用途のほか、鉱山、林業、農地、災害対応など、道路の無い環境で車両を動かす領域に広く関わる。