Open RAN (O-RAN) (O-RAN)
オープンRAN(O-RAN)は、無線アクセスネットワークを構成する装置間のインタフェースを公開仕様とし、あわせて RAN の制御に機械学習を持ち込むことを目指す取り組みである。O-RAN ALLIANCE は2018年10月のホワイトペーパーで、開放性(Openness)と知能化(Intelligence)の2つを設立の柱として示した。開放されたインタフェースは、規模の小さいベンダや通信事業者自身が独自のサービスを投入したり、網を自社要件に合わせて作り替えたりするために必要だという立場をとる。
アーキテクチャの中核は RAN Intelligent Controller(RIC)の階層構造である。Non-RT RIC は1秒を超える時間スケールの機能を担い、サービス管理、RAN 分析、AI/ML モデルの学習と配布を行う。Near-RT RIC は10ミリ秒から1秒の範囲で動作し、Radio Network Information Base(R-NIB)を用いて無線リソース割り当て、モビリティ、負荷分散、QoS 制御を実行する。両者は A1 インタフェースでポリシーとモデルを受け渡す。Near-RT RIC は E2 インタフェースで CU/DU のプロトコルスタックから測定値を取得し、制御指示を送る。無線側は物理層内部で機能を分割する Open Fronthaul を規定し、DU と RU のベンダを分離できるようにしている。F1、W1、E1、X2、Xn といった 3GPP インタフェースも、マルチベンダ相互接続の観点から扱われる。
狙いは、汎用ハードウェア、モジュール化されたソフトウェア設計、運用自動化によってクラウド規模の経済性を RAN に持ち込むことにある。仕様は一般公開され、ATIS、ETSI、TTA といった地域標準化団体にも取り込まれている。既存の垂直統合型ベンダの構造に対して、機能単位で参入できる余地を作る点が投資上の論点になる。