臓器チップ

Organ-on-a-Chip

ヒト細胞から作られ、臓器の構造と機能を模倣する生体工学デバイスである。米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立トランスレーショナル科学推進センター(NCATS)は、これをティッシュチップと呼び、organs-on-chipsとも呼ばれると述べ、心臓、腎臓、肺などの臓器系の構造と機能を模すと説明する。医薬品がヒトで安全か毒性を示すかを従来法より速く効果的に予測するために開発されており、複数を統合したbody-on-a-chipや、動物モデルが病態を再現しない疾患の研究にも用いられる。

詳細

定義

米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立トランスレーショナル科学推進センター(NCATS)は、ティッシュチップ(organs-on-chipsとも呼ばれる)を、ヒト細胞から作られ、心臓、腎臓、肺その他の臓器系の構造と機能を模倣するものと説明している。

目的

NCATSは、多くの有望な医薬品が前臨床では良好な結果を示しながらヒトでの臨床試験で安全性・有効性を示せずに失敗してきた点を挙げ、この問題に対処するためにTissue Chip for Drug Screeningプログラムを進めていると述べる。同プログラムは、医薬品が組織に与える影響を現行の手法より速く効果的に試験することを目指し、NIHの他の研究所・センターおよび米食品医薬品局(FDA)と連携して運営されている。

発展

NCATSは、複数の臓器チップを統合したbody-on-a-chipを作ることで、ヒトへの投与前に薬剤その他の物質の影響を全身にわたって試験できるようになるとしている。

動物モデルとの関係

ヒト細胞を用いるため、動物モデルが病態を再現しない、あるいは動物モデルが存在しない疾患・病態の研究ツールとしても有用である。NCATSは、非動物モデルの手法は研究における動物の必要性を減らしうるが、完全に置き換えるにはさらなる改良を要するというNIHの立場を支持すると述べている。