受動的音響モニタリング

Passive Acoustic Monitoring (PAM)

自ら音波を発することなく、ハイドロホンで水中の音を記録し、音源の存在や種類を推定する観測手法である。NOAAは海底に係留する固定型記録器やグライダー、漂流ブイなどを用い、長期の音響データを収集していると説明している。自ら音を出さないため、長期の無人観測や監視用途に用いられる。

詳細

概要

受動的音響モニタリングは、観測側から音波を送信せず、水中の音だけを聴取して対象を検出・分類する手法である。音波を送信するアクティブソナーと対比され、観測側の存在を知られにくい点と、消費電力が小さく長期無人観測に向く点が特徴となる。NOAA Fisheriesは、海洋哺乳類などを調べるために海中の音を記録し、各国のパートナーと協力していると述べている。

技術的な要点

基本要素は水中マイクであるハイドロホンと記録装置である。出典によれば、海底に固定した記録器は特定地点に係留して音を記録し、発声する種と周囲の音について長期のデータを収集する。可動プラットフォームとしては、あらかじめ設定した経路を航行し衛星や携帯回線で準リアルタイムにデータを送るグライダー、海流とともに漂流しながら記録・伝送する漂流ブイ、衛星やVHFアンテナで伝送する係留ブイが挙げられている。個体に装着する音響タグにより、採餌行動や発声、周囲音への応答を調べる用途もある。取得した波形は検出・分類の処理にかけられ、リアルタイム機器は対象の所在をほぼ即時に把握することを可能にするとされる。

産業での位置づけ

環境調査に加えて、港湾や海底インフラの監視といった安全保障用途でも同じ原理が用いられる。センサを分散配置してネットワーク化し、機械学習で音響信号を分類する構成が一般的で、データ伝送量と電源の制約から、端末側で検出処理を完結させる設計が採られることが多い。