Plant Phenotyping
植物フェノタイピングは、センシング技術を用いて植物の形質を測定し、生育状態やストレスを定量する手法である。Smart Agriculture誌の2023年のレビューは、ハイスループット植物フェノタイピングを、先端のセンシング技術を用いて育種において優良な系統を選抜することに主眼を置く技術として説明している。あわせて作物ストレスセンシングを、水分・養分・病害虫といった生物的および非生物的ストレスを検出し定量することで、圃場の可変管理につなげるものと位置づけている。
同レビューが挙げるセンサは、RGB・マルチスペクトル・熱・ハイパースペクトルの各カメラ、樹冠の構造や草高を測るLiDAR、クロロフィル計・赤外放射温度計・土壌水分センサなどの接触式センサである。測定される形質は、生育に関しては草高・被覆率・バイオマス、水分状態に関しては土壌水分量・樹冠温度・作物水ストレス指数、ストレスの指標に関しては葉のクロロフィル含量・葉の窒素濃度・正規化植生指数などの植生指数と分光反射率である。
育種における系統選抜と、生産現場における管理判断のいずれにも同じ計測技術が使われる点が特徴である。個体や群落の形質を継続して数値で捉えられるため、遺伝的な差と環境由来の差を切り分ける基盤となる。