Prognostics
予知保全は、機械の状態を継続的に監視し、そのデータから将来の状態変化を予測して、故障が起きる前に保全処置を行う考え方である。ISO 13381-1:2025「機械システムの状態監視および診断 — プログノスティクス — 第1部:一般指針および要求事項」は、関係者がプログノスティクスの概念を共有できるようにし、正確な予測に必要なデータ、特性、プロセス、挙動を特定し、プログノスティクス開発の適切なアプローチとプロセスを示すことを目的としている。開発者、提供者、使用者、製造業者を想定読者とする23ページの規格である。
予知保全は単独では成立せず、状態監視と診断の体系の上に載る。ISO 17359:2018「機械の状態監視および診断 — 一般指針」は、あらゆる機械を対象に、状態監視プログラムを立ち上げる際に検討すべき一般的な手順の指針を示し、その過程で必要となる関連規格を参照する。データの処理・通信・提示については ISO 13374 シリーズ、データの解釈と診断技術については ISO 13379-1:2025 が対応する。監視、診断、予測が別々の規格として整理されている点が、この分野の構造をよく表している。
センサ、通信、データ解析を組み合わせる領域で、設備稼働率と保全費用に直接効く。規格が「予測の根拠となるデータと挙動を明らかにすること」を要求している点は、予測モデルの説明可能性が導入判断の条件になることを示している。