Pulmonary Hypertension (PH)
米国国立心肺血液研究所(NHLBI)は、肺高血圧症を肺の血管に影響を及ぼす状態と説明している。肺へ血液を送り出すために心臓が通常より強く働かなければならなくなる点がこの疾患の中心にある。単独で発症する場合と、別の疾患や状態が原因となって生じる場合がある。
NHLBI は原因と病態によって5群に分類している。第1群が肺動脈性肺高血圧症(PAH)、第2群が左心系疾患によるもの、第3群が肺疾患または低酸素によるもの、第4群が肺動脈の閉塞によるもの、第5群が原因が不明あるいは複数にわたるものである。世界の肺動脈性肺高血圧症の症例のうち半数を超えるものは原因が判明していないとされる。
群ごとに背景となる機序が異なるため、治療薬の開発でも対象群を特定して進める必要がある。遺伝性疾患に伴うシグナル伝達の異常を是正する治療の適応疾患として、創薬企業のパイプラインに現れる。また、原因の分からない症例が相当の割合を占めることから、分類と原因の特定そのものが診療上の課題として残っている。第2群から第4群のように背景の疾患が明確な場合は、その疾患の治療が肺高血圧そのものの管理と不可分になる。