Radioligand Therapy (RLT)
腫瘍が発現する抗原や受容体へ特異的に結合する担体分子(ペプチド、抗体、低分子リガンド)に、キレータを介して治療用放射性核種を標識した放射性医薬品を投与する治療法である。血流を介して標的へ集積し、体内から局所的に電離放射線を照射する。
IAEAは、治療に適した核種として組織中の飛程が短いアルファ線またはベータ線の放出核種を挙げ、標的近傍でエネルギーを解放する点を要件としている。担体分子は結合親和性と体内動態の両立が求められ、腎臓や唾液腺など標的外組織への集積が用量制限毒性の要因となる。同一の標的分子に診断用核種を標識すれば投与前に集積を画像で確認でき、診断と治療を一体で運用するセラノスティクスが成立する。
核種の供給、標識合成、製剤の品質試験を短い半減期の中で完了させる必要があり、製造設備と物流が競争力を左右する。実施施設には放射線管理区域と有資格者の配置が求められる。
投与後の患者からは放射線が放出されるため、退出基準や排泄物の管理を含む放射線防護の運用規則が治療プロトコルに組み込まれる。
投与された放射性医薬品の一部は腎排泄されるため、腎機能と骨髄抑制が主な安全性の監視項目となる。