RDMA over Converged Ethernet (RoCE)
RoCEは、イーサネット網の上で遠隔直接メモリアクセス(RDMA)を実現する方式である。NVIDIAの技術文書では、RDMAはサーバ間でメモリからメモリへの直接転送を可能にし、CPUの介在を回避することで遅延とCPU負荷を大きく削減すると説明されている。仕様はInfiniBand Trade Association(IBTA)が策定している。
RoCEv1は専用のイーサタイプ(0x8915)を用いるレイヤ2の方式で、同一ブロードキャストドメイン内に通信が限られ、IPルータを越えられない。RoCEv2はRDMAのトラフィックをUDP/IP(UDPポート4791)にカプセル化することでレイヤ3に拡張し、通常のIPルーティングを利用して経路制御できる。動作にはロスレスなイーサネットが前提となり、経路上のすべての端点とスイッチで優先度フロー制御(PFC)を用いる構成が推奨される。
低遅延と高スループットが求められる金融取引、データベース、ストレージ、コンテンツ配信で使われてきた。近年はGPUクラスタの相互接続でInfiniBandと並ぶ選択肢となり、AI計算基盤のネットワーク設計における主要な論点になっている。
輻輳制御の設定が性能を大きく左右するため、大規模なクラスタでは網全体の設計と運用が要件となる。