再構成可能インテリジェント表面

Reconfigurable Intelligent Surface (RIS)

電磁波の反射や透過の特性を動的に制御できる面状のデバイス。ETSI GR RIS 001 は、ユニットセルと呼ぶ散乱素子を配列し、その電磁的な振る舞いを動的に制御できる新しいネットワークノードと定義する。カバレッジ改善やビーム管理、測位精度の向上などが想定用途に挙げられている。

詳細

概要

再構成可能インテリジェント表面(RIS)は、電磁波の反射や透過の特性を動的に制御できる面状のデバイスである。ETSI GR RIS 001 v1.1.1(2023年4月)は RIS を、ユニットセルと呼ばれる散乱素子を配列して構成される新しいネットワークノードであり、その特性を動的に制御して電磁的な振る舞いを変えられるもの、と定義している。無線の伝搬環境そのものを制御対象として扱う点が従来の無線技術と異なる。

技術的な要点

ユニットセルの応答は、制御信号によって動的あるいは準静的に調整される。これにより入射した無線信号を、反射、屈折、集束、コリメーション、変調、吸収、またはそれらの組み合わせによって整形する。パッシブ型の RIS は、プログラム可能な受動的金属鏡または波の集収器のように動作し、入射する電磁界を任意に変える機能を、専用電源を必要としない低コスト部品で実現するとされる。ほぼ受動的な技術という位置づけであり、増幅を行う従来のリピータとは性質が異なる。同文書は主要なユースケースとして、カバレッジ改善、スペクトル効率の向上、ビーム管理、物理層セキュリティ、測位精度、センシング、エネルギー効率(無線電力伝送、エネルギーハーベスティング、省電力、電磁界ばく露の低減)、リンク管理(プログラマブル無線データセンタ)の8つを挙げている。

産業での位置づけ

ETSI は ISG RIS を設けて標準化前段階の研究を進めており、対象は固定・移動無線アクセス、センシング、測位、エネルギーと電磁界、セキュリティとプライバシーに及ぶ。中核となるのはメタサーフェス材料と制御回路の実装であり、材料・デバイス系の技術を持つ企業が通信レイヤに参入する経路になりうる。