レドックスフロー電池

Redox flow battery (RF電池)

電解液を外部タンクに貯め、ポンプでセルスタックへ循環させて充放電する二次電池。バナジウム系の起電力は約1.4V。容量はタンク内のバナジウム量、出力はセルサイズで決まるため両者を独立に設計でき、充放電サイクル数に原理的な制限がない。長時間放電が要る系統用途に向く。

詳細

概要

活物質を溶かした電解液を外部タンクに貯蔵し、ポンプでセルスタックに循環させて充放電する二次電池。実用の中心はバナジウム系で、住友電工の技術資料によれば起電力は約1.4Vである。

技術的な要点

正極では VO2+ + H2O ⇄ VO2+ + 2H+ + e-、負極では V3+ + e- ⇄ V2+ の反応が進む。正負極とも同じ元素の価数変化を使うため、電解液が混合しても再生できる。電池容量はタンク内のバナジウム量で決まり、出力はセルサイズで決まる。この構造により出力と容量を独立に設計できる。充放電サイクル数に原理的な制限がなく、電解液は半永久的に使用できる。電解液が水溶液であるため安全性が高い。実績としては、北海道電力に設置された15MW×4時間(60MWh)の設備があり、短周期の変動対応時には定格の2倍にあたる30MWでの運用が可能とされる。3年間の実証試験を経て実運用が続いている。

産業での位置づけ

体積・重量あたりのエネルギーが小さいため移動体には向かないが、放電時間が長く寿命の制約が小さいことから系統用途に適する。容量がタンク内のバナジウム量で決まる構造上、コストはバナジウムの調達条件に強く依存する。事業評価では、セルスタックの出力単価とタンク側の容量単価を分けて見ることになる。