Self-Healing Material
自己修復材料は、横浜国立大学の解説によれば、損傷を自ら検知して修復できる材料であり、生体がもつ動的な機能を模して化学反応により傷を埋める。損傷が進行して破壊に至る前に材料側で対処するという発想に立つ。
修復に必要な物質をどう調達するかで三つに分けられる。第一は、修復に必要な物質をあらかじめ材料の内部に含ませておく方式。第二は、材料が置かれた環境中にすでに存在する物質を利用する方式。第三は、必要な物質を環境から能動的に集める方式で、バクテリアを用いるコンクリートが例として挙げられる。対象となる材料系は、高分子材料、塗料などのコーティング材料、複合材料、金属材料、セラミックス材料、コンクリートに及ぶ。なかでも自己修復セラミックスは、次世代の航空機材料として位置づけられている。
期待される効果は長寿命化とメンテナンスフリー化、そして環境への適応である。適用範囲は台所用品から宇宙構造物まで広く想定されている。点検や交換の手間が大きい部材ほど自己修復の価値が出るため、インフラや航空宇宙のように保守条件が厳しい分野が有力な適用先になる。