直列弾性アクチュエータ

Series Elastic Actuator (SEA)

モータと出力の間にばねを直列に挿入し、そのたわみ量から出力力を測って制御するアクチュエータ構成。1995年にMITで提示された。力制御の問題をばねの位置制御の問題に置き換えることで、接触時の安定性と衝撃荷重に対する減速機の保護を得る一方、力制御の帯域は低下する。

詳細

概要

モータと出力軸の間に弾性要素を直列に挿入したアクチュエータ構成である。MIT人工知能研究所の技術報告(1995年、Matthew Williamson)で提示された。剛性の高い駆動系は硬い環境に接触したときに不安定になりやすいのに対し、ばねを挟むと力制御の問題が位置制御の問題に置き換わり、力の精度が改善するというのが中心的な主張である。

技術的な要点

ばねのたわみと出力トルクが線形関係にあることを利用し、ばねのウェブに貼ったひずみゲージで変形量を測って力を求める。ばねは機械的なローパスフィルタとして働き、衝撃荷重が減速機に直接伝わるのを防ぐ。高周波域で受動的に振る舞うため、あらゆる環境との接触に対して安定であるとされる。一方で力制御の帯域は下がり、機構は複雑になるという代償を伴う。

産業での位置づけ

衝撃入力が大きい脚型ロボットや、人と接触する外骨格・支援機器のように、剛性の高い駆動系では破損や接触不安定が問題になる用途で選ばれる。関節の力をどの方式で検出するか(直列弾性、関節トルクセンサ、モータ電流からの推定)は各社の設計思想を分ける論点であり、ハードウェア企業の技術的な差異を読む手がかりになる。