単一ドメイン抗体

Single Domain Antibody (sdAb)

ラクダ科動物に見られる重鎖のみの抗体に由来する、最小の機能的抗体形式。分子量はおよそ15kDaで、約150kDaの完全長IgGよりはるかに小さい。原核・真核の宿主で高発現し、溶解性と安定性が高く、小ささゆえの組み合わせやすさから二重特異性抗体やCAR分子の結合部位として使われる。

詳細

Scientific Reports に掲載された論文(2024年、14巻17747、DOI: 10.1038/s41598-024-68680-5)は、単一ドメイン抗体の起源について「通常のIgGが持つ第1定常ドメイン(CH1)と軽鎖を欠く重鎖のみの抗体(heavy chain-only antibodies, HCAbs)が、もともとヒトコブラクダの血清中に見出された」と記している。

サイズは「最小の機能的抗体形式(約15 kDa)」であり、完全長IgG(約150 kDa)と比べて大幅に小さい。

利点として同論文は「多様な原核・真核宿主細胞での高い発現量、高い溶解性、そして分子サイズの小ささと良好な安定性に由来するモジュール性」を挙げている。この扱いやすさから「二重特異性抗体、キメラ抗原受容体、その他の標的結合部位を必要とする分子構築物に組み込む」用途が広がっている。

ラクダ科由来のものは VHH、商標名としてナノボディとも呼ばれる。小ささから組織移行性が高く、通常の抗体では届きにくい狭い溝状のエピトープに結合できる点も応用上の特徴とされる。