固体酸化物形燃料電池

Solid oxide fuel cell (SOFC)

イットリア安定化ジルコニアを電解質に用い、500〜1,000℃の高温で作動する燃料電池。発電効率は低位発熱量基準で60%、スタック規模は1kWから2MWとされる。燃料の選択自由度が高く熱電併給に適する一方、高温腐食、起動時間の長さ、停止回数の制約が課題に挙げられている。

詳細

概要

酸化物イオンを伝導するセラミックスを電解質に用いる燃料電池。米国エネルギー省の整理では、電解質はイットリア安定化ジルコニア、作動温度は500〜1,000℃、代表的なスタック規模は1kWから2MWである。

技術的な要点

発電効率は低位発熱量基準で60%とされる。用途は補助電源、電気事業用、分散型電源に整理されている。利点として挙げられているのは、高い効率、燃料の自由度、電解質が固体であること、熱電併給に適すること、ガスタービンとの複合サイクルを組めることである。課題は、高温での腐食とセル構成部材の劣化、起動時間の長さ、停止回数が限られることである。比較のために固体高分子形燃料電池(PEMFC)を見ると、作動温度は120℃未満、発電効率は純水素で60%、改質燃料で40%とされており、作動温度の違いが用途の分かれ目になる。低温形は起動停止の頻度が高い移動体に向き、高温形は連続運転する定置用に向く。

産業での位置づけ

起動停止を繰り返す運用に制約があるため、定置型の分散電源や産業用の熱電併給が主戦場になる。同じ酸化物イオン伝導体を用いる固体酸化物形電解セル(SOEC)と材料・スタック技術の基盤を共有するため、燃料電池と水電解の両方を一つの技術資産で狙う事業構成が取られることがある。投資評価では、セル単体の効率よりも高温部材の耐久性と熱サイクル耐性の実証データが重要になる。