固体ロケットモータ

Solid Rocket Motor

燃料と酸化剤をあらかじめ混合し固体の推進薬グレインとして成形したロケット推進装置である。可動部が少なく短時間で着火でき、外部の酸素を必要としないため真空中でも動作する。一方で比推力は液体推進系に劣り、飛行中に推力を絞る操作が難しい。推力の時間変化はグレインの形状で設計する。

詳細

概要

固体ロケットモータは、燃料と酸化剤を混合して固めた推進薬グレインを内蔵し、点火後に燃焼ガスをノズルから噴出して推力を得る推進装置である。出典のパデュー大学の解説では、点火器に電気信号を送って高温ガスを発生させ、主推進薬グレインに着火する構成として説明されている。

技術的な要点

推進薬グレインが燃料と酸化剤の双方を含むため、外部から酸素を取り込む必要がなく真空中でも動作する。可動部品が少なく機構が単純で、液体推進薬の充填工程を経ずに短時間で着火できる点も特徴である。構造部材が少ないぶん推進薬の質量比を高めやすい。一方で、比推力は液体推進系に劣り、飛行中に推力を絞る操作が難しく、いったん着火すると専用の推力停止機構を備えない限り燃焼が続く。時間に対する推力の変化はグレインの断面形状と幾何形状によって設計される。燃焼面積が時間とともにどう変わるかを形状で決めることで、推力プロファイルを事前に作り込む。

産業での位置づけ

出典では、打上げ機の補助ブースタ、上段、空中発射用ブースタ、戦術用途など、規模の異なる幅広い適用例が挙げられている。長期保管が可能で即応性が高いことから、頻繁な整備を前提としない用途で採用されやすい。推進薬の製造設備と安全管理が供給能力の制約になりやすく、生産基盤の確保が事業上の論点となる。