全固体電池

All-solid-state battery

電解液とセパレータの代わりに固体電解質を用いる二次電池。可燃性の有機溶媒を使わないため電池パックの安全・冷却系を簡素化でき、体積エネルギー密度の向上と急速充電の実現が見込まれる。NEDOのプロジェクトでは硫化物系の中型セルサイズで450Wh/Lを実証しており、課題は固体どうしの界面の形成と維持にある。

詳細

概要

電解液と多孔質セパレータの代わりに固体電解質を用いるリチウムイオン電池。NEDOは、固体電解質を用いた全固体LIBを「電池パックの安全・冷却系の簡素化による体積エネルギー密度の向上、急速充電の実現などが見込める次世代の高性能蓄電池」と位置づけている。

技術的な要点

本質的な課題は、固体電解質どうし、および固体電解質と活物質のあいだにできる界面(固固界面)をどう形成し維持するかにある。充放電サイクルに伴う固固界面の劣化や物質移動への対応が必要とされる。NEDOのプロジェクト第2期(2018年度〜2022年度)では、液系LIBと同様の製法技術を用いた硫化物系全固体LIBの標準電池モデルを開発し、一般的な液系LIBに迫るエネルギー密度である450Wh/Lを中型セルサイズで実証した。後継の「次世代全固体蓄電池材料の評価・基盤技術開発」は2023年度から2027年度までの事業で、材料評価の基盤技術開発、粒子接触・界面や劣化など全固体LIB特有の機構の解明、電極・セル要素技術開発の三つを対象とする。

産業での位置づけ

このプロジェクトには自動車・蓄電池・材料メーカーなど33法人と、大学・公的研究機関16法人の計49法人が参加している。材料からセルまで工程が分かれるため、材料スタートアップの評価では、単体の物性値ではなくセルに組んだ状態での実証があるかが判断材料になる。評価手法そのものが基盤技術開発の対象になっている段階であり、企業間で公表値を直接比較することは難しい。