半導体変圧器

Solid-State Transformer (SST)

磁性体の鉄心で電圧を変換する従来の変圧器に代えて、半導体のスイッチングによって交流の電圧を変換する電力変換装置である。米アイダホ国立研究所のGridTechPediaは、高周波の半導体スイッチング、フィルタ、小型の中周波トランスを用いて交流電圧を変換する装置と説明する。双方向の電力融通ができ、投入時の突入電流を要さず、小型軽量で部分負荷の効率が高いとされる。

詳細

概要

米アイダホ国立研究所が公開するGridTechPediaは、半導体変圧器(SST)を、高周波の半導体スイッチング、フィルタ、小型の中周波トランスを用いて交流の電圧を変換する電子式の電力変換装置と説明している。受動的な磁性体の鉄心で電力を移す従来の変圧器に対し、SSTは能動的なパワーエレクトロニクスと半導体スイッチングで同じ機能を果たす。

技術的な要点

同資料によれば、SSTは双方向の電力融通ができ、従来の変圧器が投入時に必要とする大きな突入電流を要しない。高周波でスイッチングするため磁性部品を小さくでき、装置は小型軽量になり、部分負荷での効率も従来型より高いとされる。機能面では、電圧の精密な調整と変動への高速な応答、高調波の抑制といった電力品質に関わる制御を担える点が挙げられている。

産業での位置づけ

GridTechPediaは利点として、制御性と電力品質の向上、双方向の潮流による分散型電源や変動電源の受け入れ、事故の切り離しと冗長化による耐性の確保を挙げ、適用先として電気自動車の充電、マイクログリッド、データセンター、鉄道の給電を示している。配電機器の更新需要と分散型電源の増加が重なる領域であり、既存の変圧器市場に対してどの用途から入るかが事業の設計になる。