共通社会経済経路

Shared Socio-economic Pathways (SSP)

将来の人口・経済・技術・政策の前提を記述した社会経済シナリオ群。IPCC第6次評価報告書では、SSPと排出水準を組み合わせたSSPx-y形式のシナリオが用いられ、気候モデルの入力条件となる。企業の気候関連リスク評価でも共通の前提として使われる。

詳細

概要

IPCC第6次評価報告書第1作業部会は、人為的な気候変動の駆動要因について文献上の幅を網羅する新しい例示シナリオ群を、共通社会経済経路(SSP)から導いて用いている。SSPは人口、経済、技術、政策といった社会経済の前提を記述したストーリーラインであり、それ自体は排出量の予測ではない。

技術的な要点

シナリオはSSPx-yという形式で表記される。xはどの社会経済経路に基づくかを示し、ハイフン以降のyは2100年時点の放射強制力の水準をW/m2で表す。たとえばSSP1-1.9は非常に低い排出、SSP5-8.5は非常に高い排出に対応する。AR6ではGHG排出量が非常に低い経路から非常に高い経路まで、緩和の程度と社会経済の前提の組み合わせによって幅広い排出経路が扱われている。これらのシナリオは気候モデルの入力として使われ、出力である気温、降水、極端現象の変化が地域ごとの影響評価の基礎になる。

産業での位置づけ

企業の気候関連リスク開示では、複数のシナリオのもとで資産や事業がどのような物理的影響を受けるかを評価することが求められる。SSPはその共通の前提として使われ、洪水や熱ストレスの予測を提供する気候リスク分析サービスの基盤データにもなっている。