Superconducting Nanowire Single-Photon Detector (SNSPD)
NISTの解説によれば、最も高感度な単一光子検出器は超伝導体、すなわち十分に低い温度で電気抵抗なく電流を流す材料を用いる。超伝導材料の細線を曲折させて基板の上に敷き、その臨界温度のわずかに下、絶対零度より1〜2度高い温度に保つ。同時に、細線が超伝導を保てる最大電流をわずかに下回る電流を流しておく。
同資料によれば、光が細線に当たると細線は光子のエネルギーを吸収する。これにより超伝導材料の微小な領域が加熱され、その場所の超伝導が一時的に破れて抵抗が局所的に増し、測定できる電圧パルスが生じる。NISTはこの素子を主にタングステンシリサイドの細線をシリコン基板の上に堆積して作製している。同機関の超伝導センサは当たった光子の最大98%を検出でき、暗計数率は非常に低く、次の光子に備えて速やかに復帰するとされる。
光子1個の有無を高い効率と低い雑音で判定できるため、単一光子を数える必要がある光計測や量子情報の分野で用いられる。一方で動作には絶対零度付近の環境が要るため、冷凍機を含めた系全体の大きさ、消費電力、運用の手間が実用上の制約になる。素子単体の性能だけでなく、冷却系と読み出し回路まで含めてどこまで扱いやすくできるかが、この領域の事業の論点になる。