スイッチトリラクタンスモータ

Switched Reluctance Motor (SRM)

固定子と回転子の双方が突極構造をとり、回転子が磁界に整列しようとする磁気抵抗の性質からトルクを得るモータである。永久磁石も回転子巻線も持たないため希土類材料を必要とせず、構造が簡素で故障許容性が高い一方、トルクリップルと騒音の大きさが課題となる。

詳細

概要

スイッチトリラクタンスモータ(SRM)は、固定子と回転子の双方に突極を持つ二重突極構造をとり、回転子が磁界に整列しようとする性質(磁気抵抗=リラクタンスの変化)によってトルクを発生させるモータである。回転子には永久磁石も巻線もなく、固定子側のコイルを順次励磁して回転磁界に相当する動作をつくる。

技術的な要点

出典の総説では、SRMは構造が簡素で故障許容性が高く、希土類磁石を用いずに競争力のあるトルクと出力を得られるとされる。製造が容易でコスト面の利点もある。一方で、永久磁石モータに比べてトルク密度が低く、トルクリップルが大きい。励磁が離散的に切り替わるため磁気吸引力の脈動が生じ、特に負荷時の騒音が大きい点が実用上の弱点である。これらは電流波形の整形(カレントプロファイリング)などの高度な制御によって緩和が図られる。

産業での位置づけ

希土類磁石はサプライチェーンのリスクが指摘される材料であり、出典の総説はSRMを希土類を用いずに高出力モータを実現する近い将来の有力解と位置づけている。電動車両の駆動用途に加え、産業機械や商用車など、コストと材料調達の制約が重視される用途で採用の検討が進んでいる。