TRISO燃料

TRISO Fuel (Tri-structural Isotropic coated particle fuel) (TRISO)

ウランの燃料核を炭素系・セラミック系の複数層で被覆した粒子状の原子炉燃料である。粒子ひとつひとつが核分裂生成物を閉じ込める障壁として働き、中性子照射や高温への耐性が高い。ペレットや球状のペブルに成形し、高温ガス炉や溶融塩冷却炉に用いる。燃料そのものが閉じ込め障壁となる点が従来燃料と異なる。

詳細

概要

TRISOはTri-structural Isotropic(三重構造等方性)の略で、二酸化ウランまたはウラン酸炭化物からなる燃料核(カーネル)を、炭素系およびセラミック系の層で被覆した粒子燃料を指す。米エネルギー省原子力局の解説によれば、燃料核はケシの実ほどの大きさで、これを複数の被覆層が包み、核分裂生成物を粒子内部に閉じ込める。粒子ひとつひとつが格納機能を担う点が、被覆管に燃料ペレットを収める従来型の燃料と大きく異なる。

技術的な要点

被覆層は、中性子照射、腐食、酸化、高温に対して従来の原子炉燃料より高い耐性を持つとされる。照射済み燃料を1,800℃を超える温度に曝す試験でも、粒子の損傷は生じないか軽微であったと報告されている。同解説は、商用の高温炉の条件下でTRISO粒子は溶融しないとしており、燃料自体が異常時の閉じ込め機能を担うという設計思想につながる。粒子は円柱状のペレット、あるいはビリヤード球ほどの大きさの「ペブル」に成形され、高温ガス炉や溶融塩冷却炉の炉心に装荷される。

産業での位置づけ

小型モジュール炉やマイクロ炉を開発する事業者が採用を計画しており、被覆粒子の製造能力を確保できるかが実用化の制約要因となる。炉を工場で量産する設計思想のもとでは、燃料の標準化と量産性が経済性を左右する。