Urate oxidase (uricase)
尿酸オキシダーゼ(ウリカーゼ)は尿酸を水溶性のプリン代謝物であるアラントインへ変換する酵素である。アラントインは尿酸より溶解度が高く腎から容易に排泄されるため、この反応が働けば結晶析出は起こりにくい。ヒトを含む一部の霊長類はこの酵素活性を失っており、尿酸が代謝の終末産物として蓄積する。治療用製剤は微生物由来の組換え酵素を用いる。たとえばペグロチカーゼは遺伝子改変した大腸菌由来の酵素をポリエチレングリコール(PEG)修飾したものである。
酵素をそのまま静注すると血中半減期が短く免疫原性も高いため、PEG化により循環時間の延長と抗原性の低減を図る設計が採られる。それでも投与を受けた患者は抗製剤抗体および抗PEG抗体を形成しうる。これらの抗体は輸注反応の増加や尿酸値を正常域に維持できなくなる事象と関連するため、投与中の尿酸値モニタリングが管理の要点となる。免疫抑制薬の併用による抗体産生の抑制も検討されてきた。
尿酸オキシダーゼ製剤は、経口の尿酸降下薬で管理できない難治性慢性痛風という限定された患者層に対する最終手段として位置づけられる。点滴投与が必要で医療費も高いため、キサンチンオキシダーゼ阻害薬とこの酵素製剤の間を埋める経口の第二選択薬に開発上の空白があるとされ、URAT1阻害薬などの開発動機になっている。