Ultra-Reliable and Low Latency Communications (URLLC)
超高信頼・低遅延通信(URLLC)は、IMT-2020(5G)で定義された3つの利用シナリオの1つで、遅延と信頼性に対して厳しい要件を課す通信区分である。定量的な要件は ITU-R 報告 M.2410-0「Minimum requirements related to technical performance for IMT-2020 radio interface(s)」(2017年11月)に規定されており、候補無線インタフェース技術がこの水準を満たすかどうかが評価の基準になる。
M.2410-0 が定める URLLC の最小要件は次の通りである。ユーザプレーン遅延は上り下りとも1ミリ秒で、無負荷条件かつ小さな IP パケットを前提とする。制御プレーン遅延は20ミリ秒が最小要件で、10ミリ秒といったより小さい値の検討が推奨されている。信頼性は、Urban Macro-URLLC という試験環境のカバレッジ端において、32バイトのレイヤ2 PDU を1ミリ秒以内に伝送できる成功確率が1-10⁻⁵であること、と定義される。100バイト程度までの大きなパケットも考慮対象として挙げられている。同じ報告では eMBB のピークデータレートを下り20Gbps、上り10Gbps、mMTC の接続密度を1平方キロメートルあたり100万台と定めており、URLLC はこれらとは別の指標群で評価される。
工場の機械制御、遠隔操作、車両制御など、通信の失敗が物理的な事象に直結する用途を移動通信で扱うための前提条件になる。要件値が特定の試験環境の定義とセットで規定されている点は実務上重要で、カタログ上の1ミリ秒をそのまま現場の性能とみなす読み方はできない。実際の適用では、無線区間だけでなく端末処理やアプリケーション層まで含めた遅延収支の設計が要る。