Vas occlusion
精管閉塞法は、精巣で作られた精子が精管を通過する経路を塞ぐことで避妊を図る方式である。出典の総説は、非ホルモン性の手法一般について、視床下部・下垂体系を介さないためホルモンに伴う副作用を避けうる狙いがあると説明している。外科的に精管を切断・結紮する従来法に対し、閉塞材を注入して管腔を塞ぐ方式は、原理的に再開通の余地を残す点が異なる。
出典では、スチレン無水マレイン酸ポリマーを溶媒であるジメチルスルホキシドと混合して精管内に注入する手法が挙げられている。同種のポリマーを用いる別の開発では、精子の通過に対する機械的な障壁として作用させ、重炭酸ナトリウム溶液を精管に注入して洗い流すことで精子の流れを回復できると考えられている、と記されている。近年はハイドロゲルを精管内に注入し、精子の流れを遮る一方で他の体液は通す設計も報告されている。設計上の要点は、閉塞材の粘度と留置後の形状安定性、周囲組織への影響、留置期間の制御、そして閉塞状態を確認する手段である。
閉塞材は薬物というよりも体内留置材料としての性質を持ち、生体適合性と長期安定性が評価対象となる。出典は、非ホルモン性の手法の多くが前臨床段階にとどまるとしたうえで、規制上の承認には避妊効果の実証が必要だと述べている。有効性や安全性は臨床試験の結果に基づいて判断される段階にある。